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レンタルお姉さん

「息子を、部屋から外に出してください……」
雇用主が涙ながらに語った。
息子の浩二が、もう5年も外に出ていないのだという。
浩二の部屋の前へと案内された。
私は、コンコン、と部屋のドアを軽くノックをした。
「浩二くん、少しお話したいんだけど、いいかな?」
部屋の中からゴソゴソと動く物音がした。
「何……?」
浩二が低い声で返した。
「私はレンタルお姉さん。浩二くんが、外に出られないことについてお話したいの」
浩二は少しの間は無言だったが、ゆっくりと外に出られない理由について話し始めた。
「外に出る服が無い……外に出る服が無いんだ……」
「そっか……」
どうやら、外に出る為の服が無いことが、外に出られない理由であるようだ。
「わかりました。お母さん、灯油を持ってきてくださいますか?」
「は、はい……」
雇用主に申しつける。
灯油はすぐに持ってこられた。
私はその灯油を壁や床へとぶちまけた。
「な、なにをするんですか!」
「まあ見ていてください」
にやりと笑い、灯油に火を点ける。
「ひ、ひいいいいい!」
雇用主は走って外へ逃げた。
私もそれに倣って外へ逃げる。
木造の家だけあって、火の周りはなかなかに速かった。
「おおおお、燃えとる」
「ああああ、家が……」
雇用主はがっくりと膝から崩れ落ちていた。
「う、うわあああああああ!」
ダサい服を着た男が家の中から出てきた。浩二だ。
浩二も安全な場所まで来ると、放心状態で家を見ていた。
「ほら、外に出られたじゃない」
にっこりと笑って話しかけたが、浩二はもう私を見てはいなかった。
卒業したのだ。家から、そしてレンタルお姉さんから。







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